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zoom RSS 災害要援助者の災害対策-人工呼吸器を使用する難病者の場合:参考文献

<<   作成日時 : 2008/03/18 02:27   >>

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前のブログの記事からの続きです。申し訳ありません、自分の参考資料のために掲載しています。資料のみの掲載で長文です。

「人工呼吸器装着を装着しているALS患者の訪問看護ガイドライン」の冊子から第9章災害時の対応を抜粋して掲載させていただいています。

厚生省特定疾患研究
「特定疾患患者のQOL向上に関する研究」班
「人工呼吸器装着者の訪問看護研究」分科会
「人工呼吸器装着を装着しているALS患者の訪問看護ガイドライン」の冊子 平成11年
http://www.niigata-nh.go.jp/nanbyo/houmon/houmonindex.htm

76ページから79ページ
第9章 災害時の対応
1. 目的と意義
 人工呼吸器という生命維持管理装置を装着しているALS療養者にとって、災害はきわめて深刻な事態を引き起こす。
 実際に平成7年(1995年)の阪神淡路大震災では、人工呼吸器の動力源(電源)が絶たれた。振動や倒れによる機器の破損も生じた。隣室にいた介護家族が療養室に入ることも困難で、外部から窓をあけて入っている。医師や看護婦に連絡はついたが、医師は死者や救急患者の診療で訪問出来なかった。避難所に行きたくても、搬送手段がなく、避難所には機器を持ち込む空間が得られなかった。
 このような状況においてもHMVを継続出来るように備えておく。

2.阪神淡路大震災での経験のまとめ
 阪神淡路大震災での経験者の面接調査結果や資料により、災害時の支援には次の項目が挙げられる。
1) 支援者は常時の支援が災害時対策に即、用いられるので、平常時の支援を継続する。
2) 電源が途絶えた場合の対策として、手動式呼吸補助器具の準備および使用法の訓練、温水の確保などがある。
3) 室内外の空気が塵埃で汚れているので、正常な空気を送風できる工夫や眼薬、吸入薬の準備、食事の確保(経管栄養剤を溶解させる水や温水の確保)を行う。
4) 人工呼吸器の代替器確保、整備点検等に関して、機器供給会社との連絡法を決めておく。
5) 近隣の人々の協力を得る方策を立てておく。
6) 主治医や訪問看護婦など支援者との連絡法を決めておく。
 これらを踏まえ、災害時の対応方法について以下に概説する。

3.災害による療養者への影響
 災害により、療養者が受ける影響として、@振動による影響、Aライフラインの断絶による影響、Bネットワ−クの滞りによる影響、が挙げられる。以下にその内容を概説する。
 これらの三つの影響を知った上で、予防対策等を考えておく。

1)振動による影響
 災害の大きさにもよるが、振動により、人工呼吸器、吸引器、吸入器等、ガラス製品などが故障、破損を受けて、作動不能となる。また、回路などの付属品の破損、緊急時の代替用品(予備物品)の喪失・破損、医療用具としての手動式蘇生バック、吸引カテ−テル等も建物や療養室内の倒壊などで破損したり、あるいは、見つからないことも起こりうる。
 同様に、消毒薬、滅菌水、経管栄養、常用薬と治療に必要な薬剤関係の物品も破損したり、喪失という事態が起こりうる。

2)ライフライン( Life-line )の断絶による影響
 災害により電気、水などのライフラインの断絶により、人工呼吸器や吸引器の使用に支障が生じると、命綱である人工呼吸器を装着したALS療養者にとっては死と繋がる。停電のため電気製品が作動しなくなることはまさに命綱をたたれることになる。
 また、連絡手段の途絶により消防署、医療機関への連絡が滞る。水道・湯の不足等も経管栄養を行っている療養者にとっては、栄養摂取を不可能とする事態をまねく。

3)ネットワ−クの滞りによる影響
 「ネットワ−クの滞り」により、必要不可欠な物品が供給できない事態がおこる。特に人工呼吸器の破損、停電によりライフラインがストップした場合、緊急にそれを補うためのネットワ−クがうまくいかなければ命が絶たれることにもなる。
 先の阪神・淡路大震災では、バッテリ−の予備がなく関連会社へ連絡するも、取りよせるのに時間がかかり、2人で36時間手動式蘇生バックを使用して換気を行った事例もある。
 いつもは夫婦二人ぐらしであるが、たまたま娘がいたため二人交代で手動式蘇生バックを作動することができた。
 また、近隣者が家族の状況を理解し、室内を片付けるなど生活環境を整えるなどの援助をしてくれたり、また、電力会社へも連絡し特別に早く電気を開始できたケ−スもあった。

4.災害時の対応
 人工呼吸器装着のALS療養者の家族は、独自で療養者の安否、危機作動の確認をし、病院に連絡し、援助を求める方法を知っておく。

1)医療機器作動可能のチェック
(1)人工呼吸器
@停電で作動しない場合には、充電機器により一時的に作動させる。作動可能な時間を知っておく。(充電機器の種類にもよるが1時間使用可能、内部バッテリ−は約1時間、外部バッテリ−は6〜24時間使用可能)
A供給ル−トの破損のチェック
代替品との交換
B人工呼吸器の作動が困難な場合には、手動式蘇生バックにより呼吸の確保を行う。
C医療機器会社との連絡により、早急に機器の修理や不足用品の供給を依頼する。
D電力会社との連絡をし、電力の供給を早急にしてもらう。
(2)吸引器
充電式の吸引器、手動式の吸引器、注射器により吸引を行う。
(3)吸入器
とりあえず乾燥を防ぐために人工鼻を使用

2)災害時のための予備を確保しておく
 振動による機器の破損や停電による作動不能を考え、予備を確保しておくことは大切である。
(1) 人工呼吸器(代替用)
(2) 手動式蘇生バック
(3) 電源(充電した蓄電装置、発電機)
(4) 予備の吸引器、吸入器
(5) 人工呼吸器付属消耗品の予備(消毒されたもの)
 呼吸器回路、吸引チュ−ブ、滅菌水、カニュ−レ、滅菌手袋、消毒薬、注射器50ml人工鼻など
(6)3〜1週間位、自力で生活できるだけの備蓄
 医薬品、電源、携帯燃料、水、食品
(7)携帯電話の活用…日常的に使用していると災害時にも便利で役立つ。この時、119番に繋がるようにしておく。

3)収納場所の検討 
(1) ベット上に家具等が転倒、落下してこないようにベッド周辺の物品の置き場所は常時検討しておく。 
(2) 人工呼吸器、吸引器、吸入器も転倒しないような工夫をしておく。
(3) 備蓄品は確実にみつかるところ、すぐにとりだせる場所に収納しておく。
(4) その他、緊急時用品は、とりまとめて袋にいれておく。
(5) 機器は、定期的に保守点検をしておく。
(6) 業者への連絡場所、器具の取扱い説明書を明記したものもいっしょに置いておく。

4)機器を取り扱えるような訓練をしておく
 災害時にはそれだけでパニックとなり、機器を作動さすことが困難となる。普段から代替用品である機器の作動の方法、手動式吸引器、さらに手動による手動式蘇生バックの取り扱いの訓練をしておく。
 訓練の対象は、同居人のみでなく、できれば同居していない家族、支援してくれる近隣、友人にも指導しておくとよい。

5)近隣者との支援体制づくり
 災害の規模の大きさ、時間の経過とともに、人工呼吸器を装着した療養者家族の支援の程度は変化する。初期には、家族、近隣の人々だけが支援者となる。普段から近所の人々との交流をはかり療養者の状況を理解して、支援してくれるネットワ−クを作っておく。

6)その他のネットワ−ク作り
(1) 災害により、家庭内でうまく対応できればよいが、被災時に人工呼吸器を装着したALS療養者を受け入れてくれる医療機関を事前に把握しておく。
(2) 療養者会会員やボランティアとの連携を普段から密にとり、ネットワ−ク作りをしておく。
(3) 常時、主治医との連絡をとっておく。
(4) 平時より医療機器関連業者との連絡をとりあっておく。

7)医療機関(訪問看護ステ−ション、病院等)で準備しておくこと
(1) 緊急時の支援体制、連絡体制を整備しておく。
(2) 緊急通報システムを整備し、作動できるようにしておく。
(3) 搬送先の病院で人工呼吸器装着ALS療養者の対応ができるようケアマニュアルを作成しておく。
(4) 搬送先に神経難病の専門者(医師、看護婦など)を派遣できる体制を作っておく。
(5) 地域医療機関と専門病院と連携の取決めを事前に整備しておく。

5.保健所での災害時対応の体制
 HMVを受けている療養者がどのような状況で生活しているのかを常に把握し、災害時に行政としての対応を行うのは、保健所である。従って、保健婦および訪問看護婦は、日常から保健所を中心とした対応体制を確認し、把握しておく。
 以下に、保健所の体制について概説する。

1) 療養者の把握
(1) 災害時に支援すべき療養者(人工呼吸器を装着しているALS療養者を含む)台帳を作成しておく。この場合必要時以外、情報が漏れたり、悪用されないよう十分留意する。
(2) 平常時から、これら療養者を支援しながら療養者の状態、支援ニ−ズを把握しておく。
(3) 訪問の優先順位をリストして作成しておくこと。
(4) 療養者に関係する各機関(医療、看護、福祉施設、機器提供会社、酸素供給会社、薬局、療養者会など)のリスト作成と日頃から情報交換をし連携をとっておく。

2)医療、看護、福祉の連携、情報提供
(1) 災害時にALS療養者を受け入れてくれる医療機関を事前に整備し、把握しておく。
(2) 搬送先の病院で対応できるよう、ALS療養者のケアマニュアル(治療計画、コミュニケ−ションの取り方など)を送付し、受け入れ体制を作っておく。
(3) 緊急時、災害時連絡網を作っておく。
主治医、近所の民生委員、療養者会、医療機器業者、訪問看護婦、ヘルパ−など、連携の取り方、それぞれの役割を話しあっておく。

3)療養者に必要な医療機器、器具、医薬品、衛生材料などの備蓄
(1) 療養者ごとに必要な物の備蓄を支援できるようにしておく。
(2) 生活用品の備蓄、携帯電話等緊急コミュニケ−ション機器の貸与などもできるようにしておく。

4)災害時に備えての教育、訓練
(1) 療養者や家族に緊急時対応方法や避難方法についての知識、情報の提供、さらに実地訓練もしておく。
(2)手動式蘇生バックによる呼吸法
(3) 手動式吸引器や注射器による吸引
(4) 手動式蘇生バックを使用しながらの避難方法など
(5) できるだけ、近隣者へも支援方法の教育、訓練をしておく。

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